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リノベーションの参考になる!センスのいいおしゃれ雑誌


プロが教える、リノベーションでマネしたくなるおすすめ本・雑誌は?

マーガレット・ハウエルの「家」(2006年/集英社)

マーガレット・ハウエルの「家」

マーガレット・ハウエルの「家」で何軒か紹介されている中で、ロンドンの家と友人フィオナの家を特にお勧めしたいです。ロンドンの彼女の家は住みながら20年近くかけて、コツコツ自分で改装をしているとのこと。「いつまでも完成にたどり着かない」という言葉には、大きくうなずきたいです。

リノベーションは終わったところからがスタート。毎日の生活の中で家族や物が増え、また減ってゆく…人生の変化にいきいきと対応していくためには、目先の便利さを追求せず、作りこまない家であることが大切です。流行を追うつもりはなくても、目新しいものが新鮮に感じられる時だってありますし、好みが年と共に変わってゆくのは自然なことです。

私のショールーム兼自宅もこの13年の間に何度かプチリフォームをしています。ホームセンターでは必要な物がなんでも揃うので、DIYが本当に身近になりました。材木はカットしてくれますし、漆喰の上から塗れる漆喰用の塗料も売っていますので、塗り替えや補修には丁寧に根気よく作業する気さえあればプロの力は必要ではありません。家族で楽しみながら自由にプチリフォームしていくことは、ご相談に見えられた方によくお話させていただいていることです。
変化していくことを当たり前に受け止めれば、カーテンを変えるだけでも気持ちが変わり、時間をかけてお気に入りの家具を探すことを心から楽しめることでしょう。

この本に出てくる、友人フィオナの家も同様に魅力満載です。10年前に出版された本ですが、全く古ぼけた印象がない。冒頭の~私の家/THE STORY OF MYHOUSES~には、この本のコンセプトが優しく深く静かに語られていますので、ぜひご覧ください。彼女の考えに触れると力強いエネルギーをもらえて「これでよし!」という気持ちになれます。

マダムシック Paris Snap(2015年/主婦の友社)

マダムシック Paris Snap

「マダムシック Paris Snap」は、パリのおしゃれなマダムたちのファッションスタイルを紹介する本なのですが、最後の部分に彼女たちの住まいも掲載されていてとても魅力的なお宅が一杯です。

簡潔な紹介文ながら一人一人の個性や好みが明確に伝わり、23人の輪郭がはっきりと伝わってきます。お住まいも当然ながら個性豊かですが、デザインは様々でも、どれも大仰さはなく上質な空間とセンスの良さに感心させられます。素敵なお住まいに出会うと、当たり前ですがどんな方が住んでいるのだろうと知りたくなります。ファッションも含めその方のイメージにぴったりのお宅だなあといちいち感心しながらも、改めて人と住まいの関係を強く意識します。

シンプルで上質な空間さえあれば後は個人の好みで自由自在にインテリアを選び、居心地の良い生活を楽しむことができると確信しています。

ku:nel(2016年3月号/マガジンハウス)

ku:nel

「ku:nel(クウネル)」はインテリア専門の雑誌ではありませんが、ちょうどフランス人女性の部屋と日本人の部屋が紹介されていて興味深く感じられましたのでご紹介します。

登場される方はどなたもはっきりとした好みを持ち、それを体現したお住まいに見えます。好みはそれぞれ別として、アンティークを含め日本人の方も洋風の暮ら
しぶりですが、はっきりと日本人の住まいとわかるのはどうしてでしょう。
建具や建材の違い?日本人の多くにDNAレベル(?)で備わっている靴を脱ぐ文化から生まれる整然とした住まいづくり?…もしそうだとしたら私達が土足の文化を取り入れると憧れのパリのアパルトマンを実現する人が増え、欧米人が靴を脱ぐ文化を取り入れた暁には、逆に日本人の住まいに近づくのかなあ…などとりとめもない考えが浮かび面白かったです。

我が心のパリ フジ子・ヘミング(2005年/阪急コミュニケーションズ)

我が心のパリ フジ子・ヘミング

このエッセイの中には、フジ子・ヘミングのパリのお住まいが2件紹介されています。洗練された美意識で物を選ぶことができる彼女にとってパリはぴったりの町なのでしょう。

モンマルトルのアパルトマンにあるのは、値段にこだわらないで一つづつ集めた家具達、そのセンスの良さにまず心惹かれます。柔らかい光が入り込む居間はお客様を招いても、一人で寛ぐ時でも居心地よい部屋になっています。サン・ルイ島のお宅は建物が素晴らしすぎて日常生活が想像できないくらいです。
どちらもお金にあかせたこれ見よがしのものなど寄せ付けない、本当に見事なお住まいで、ふんだんに飾られた生花が小さな写真からも生き生きと華やいだ気分を与えてくれます。
自分に必要なものがなんであるかしっかり自覚できていたらこんな風に優雅な暮らしができるのだと確信しました。

本当は東京・下北沢のお宅もご紹介したいのですが、今回は適当な本が見当たらず断念しました。
東京・下北沢のお住まいは1947年に建てられ、1995年に彼女がドイツから帰国後のものになります。まだ無名な頃であったためか、汚れていた壁やもらってきた椅子もご自分で塗装しておられます。
全体は和洋折衷のインテリアですが、フジ子・ヘミングの息遣いが感じられ、家全体が彼女そのものにも見えます。

住まいは住人を映し出す鏡であり、奏でる音はもちろん、彼女の描く絵もファッションも唯一無二の魅力でキラキラ輝いているのを実感できます。

インテリアは私の生き方(2014年/マガジンハウス)

インテリアは私の生き方

35人分のパリとミラノの個性豊かな住まいが、スケッチ風の簡単な間取り図と共に紹介されています。手の届きそうにないゴージャスなお宅も多いですが、所々気に入ったエッセンスは、参考にさせてもらいたいなと思います。

やはりフローリング部分は気になるところです。古いお宅になるほど使い込まれた床材の美しさと味わいが際立っているように感じます。特にフローリングをヘリンボーンに貼り分けている部屋が本当に好きです。使い込まれたフローリングは実物を間近で見ると、きっと傷だらけで、年月による乾燥で隙間も大きくなっていることでしょう。それを希少価値として貴び、味わいとして楽しんでいる文化が素晴らしいと思いますし、当方のショールームにお越しいただく方にはいつもお話させていただいていることです。

どんなに異なった種類の家具であろうと、しっかり受け止め、その部屋を上質な住空間にしてくれる無垢のフローリングに感動しています。様々なテイストのお宅がたくさん紹介されているので、お気に入りのお住まいが見つかるかもしれません。

夢の本棚のあるインテリア(2013年/エクスナレッジ)

夢の本棚のあるインテリア

本棚のある部屋が特集されていて、結構厚みもあり、読み応えのある本です。ヨーロッパの城主の図書館のような古めかしい様子から、カントリーハウスの本棚の素朴さ、またモダンな部屋では本もインテリアの一部として楽しくディスプレイされていて、興味はつきません。

さて、どうしてこの本に目が留まったのだろうかと考えてみたところ、2ヶ月程前まとまった量の本を処分したことが思い当たりました。「断捨離」「余分な物を持たない」が強く意識される昨今、その影響もあり今ある本棚に収まる以上の本を持たないと決めていたので、実行に移したのでした。
現在の自宅に引っ越す際に段ボール箱約10箱分の本を処分し、その量には及びませんが、これだけは手元に残しておきたいと考えていた中から更に選択することは、ちょっとした意識の変革に繋がったように思います。図書館で無料で読むことができることへの素直な感謝、本棚の片隅で忘れられていた本を見つけた時の残念な気持ちから解放されたこと等々…この本を見てああ素敵だなと思うことはあっても、私もこんな本棚をとは全く考えないのです。1年前なら違っていたかもしれないし、年齢を重ねたせいもあるかもしれませんが、心も軽くなったようで晴々とこの本を楽しんでいます。この気持ちを忘れないためにもこの本は、ずっと我が家の本箱の定番にしようと思いました。

リノベーションを検討される時、収納の問題は付き物です。本に限らずその機会に今ある物をどうするか、誰もが直面する課題にヒントを与えてくれる本も大切ですね。

POTTERYBARN workspaces(2008年/WELDON OWEN)

POTTERYBARN workspaces

アメリカのインテリアブランド、ポッタリーバーン(POTTERYBARN)が手掛ける本で洋書になります。手元にある「work spaces」はオフィスにこだわらず、自宅の中の書斎やちょっとしたデスクコーナー、ワーキングスペースへのセンスの良いリノベーションアイデアが提供されています。

洗練された写真がたくさん掲載されているので、見ているだけで楽しく、ちょっとまねしたくなるエッセンスが一杯です。POTTERYBARNシリーズにはリビングルームの提案「living rooms」、収納の提案「storage & display」等、他にもいろいろあります。

ROMANTIC PRAIRIE STYLE(2011年/CICO BOOKS)

ROMANTIC PRAIRIE STYLE

カントリーテイストのお宅が紹介されている洋書です。アンティークや花柄のファブリック、何より白を基調にしたインテリアが多く、ロマンテックという書名にぴったりの写真がたっぷり満載されています。

流行は移り変わるもの、たとえモダンスタイルが流行っても好みは不変ですから、どんな時でもこんなインテリアに憧れる方は多いのではないと思います。

プロヴァンスの家―古さを愛でて心豊かに暮らす(2007年/主婦の友社)/ドラがみつけたプロヴァンスの家(2006年/ギャップ・ジャパン)

プロヴァンスの家―古さを愛でて心豊かに暮らす

ドラがみつけたプロヴァンスの家

どちらの本にもフランス・プロヴァンス地方の住宅が紹介されています。フランスの田舎町の住まいはパリのアパトマンとは違い、石やタイルの床が美しいおおらかなカントリースタイルです。
何年か前に日本であった「プロヴァンス・ブーム」の時期にテレビや雑誌でよく紹介されていた風景も楽しめます。

~ 節子・クロソフスカ・ド・ローラの本 ~ めぐり合う花、四季。そして暮らし(2010年/角川マガジンズ)/グラン・シャレの手作り暮らし(2009年/世界文化社)/グラン・シャレ夢の刻(2005年/世界文化社)

めぐり合う花、四季。そして暮らし

グラン・シャレの手作り暮らし

グラン・シャレ夢の刻

ターシャの家

もう15年以上前になりますが、雑誌に掲載されていたグラン・シャレを初めて見た時の感動は忘れられません。「大きな山の家」という意味をもつスイスで一番大きな木造建築で、もとは部屋数50ほどのホテルでした。

グラン・シャレの外部の壁面には聖書からの箴言が刻まれ、正面に住まいの主である画家バルテュスと妻の節子さんが着物姿で並んでいる佇まいは、大げさかもしれませんが浮世離れしていて、現実の人のようには思えないほどでした。
グラン・シャレと運命の出会いをして購入を即決し、画商から借りた代金を何枚か描いた絵で返済したエピソードなどももはやおとぎ話(!)のようです。バルテュスが健在の頃のドキュメンタリーで観たグラン・シャレは天井が低く、壁もすべて木でおおわれた古い山小屋そのものでした。人が歩く度にぎしぎしと軋む床の音が、1754年建造という古めかしさを伝えていました。
メイドさんがいて、専属の料理人が住み込んでいる生活は全く次元の違うものでしょうが、バルテュス財団や様々な公務をこなす大変さも想像以上のものだと思います。

スイスの小さな村なので最寄りの駅は無人駅、不便と共存する環境にしっかりと根をおろした生活だと強く感じます。簡単に物が手に入らない生活では、梱包に使われた包装紙や箱、ひもも大切に保存して生活の彩にリメイクすること、着古した古い布でインテリア小物を手作りすること、自宅で育てた花をふんだんに飾る贅沢。

生前のバルテュスとじっくり吟味したアンティークや、気に入るものに出会うまで何年も探し続けた家具等。不便と自分の美意識を秤にか
けず、たゆまず手作りの生活を楽しんでいる姿に強靭な精神を感じます。素朴な山小屋を豊かな住空間にしつらえるエネルギーはどの本にも溢れています。

同じ意味で究極のカントリーハウス、ターシャ・テューダーの本「ターシャの家(メディアファクトリー/2005年)」も合わせておすすめします。


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